2次解析

リシーケンス解析

既に配列が決定されているゲノムDNAまたは転写産物(トランスクリプト)の配列を参照配列として、次世代シーケンサーからベースコールされた各配列データの マッピングを実施します。既知の配列に対して再度塩基配列を解読することから、リシーケンス解析と呼ばれます。

コンティグの作成

次世代シーケンサーから得られた短い塩基配列データ同士をマッピングすることにより、塩基配列が解読出来た領域では配列データが少しずつ重なりながら集合します。 この塩基配列の連なりをコンティグと呼び、ベースコールされた配列データのコンティグを作成することで、まだ配列が決定されていない生物種のゲノムDNAについても 配列解読を行うことが可能となります。

3次解析

シーケンス配列に対するアノテーション付与

2次解析から得られたシーケンス配列について公共遺伝子データベースを参照し、ゲノムの位置情報や転写産物情報などから該当するアノテーションを付与します。

多型情報(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)解析

ある生物種が保有するゲノム配列について、個体間における塩基配列の差異を遺伝子多型と呼びます。一般的に、その塩基差異を持つ個体が全体の1%以上の場合を 遺伝子多型、1%未満の場合を変異として区別します。また、遺伝子多型の中でもゲノム配列中の一塩基について確認される配列差を、SNP(一塩基多型)と呼びます。

参照配列に対して各個体から得られた塩基配列を比較することで、遺伝子多型の研究が可能です。疾患への感受性や薬剤への耐性、表現型に現れる個体差等についての 知見を得ることが期待できます。

挿入/欠損解析

次世代シーケンサーから得られた塩基配列を既知のゲノムDNA(参照配列)に対しマッピングすることで、シーケンス対象とした生物個体における遺伝子領域の 置換や挿入、欠損について網羅的に解析することができます。

従来シーケンサーやマイクロアレイの解析と比べ、次世代シーケンサーでは時間・制度共に優れた変異解析を行うことが期待できます。

クロマチン免疫沈降シーケンシング(ChIP-Seq)

ChIP-Seq(Chromatin immunoprecipitation-sequencing)とは、免疫沈降法を応用し、タンパク質と結合するDNA配列を解読することで、ゲノム上での転写因子など タンパク質結合領域の分布を明らかにする手法です。

次世代シーケンサーによるChIP-Seqでは、これまでのマイクロアレイ技術によるChIP-chipと比較し、プローブデザインやプローブ数のバイアスがなく、 ゲノムワイドな網羅的かつ高感度な解析が可能になります。

メチレーション解析

メチル化修飾を受けた遺伝子プロモーター領域のシトシン塩基が、遺伝子発現調節に関与していることが示唆されています。
これまでゲノムの配列情報のみでは分からなかった、ガンなどの疾病原因遺伝子に対する調節機構の解明につながるとして、積極的な解析が行われています。

遺伝子発現(Digital gene expression)解析

マイクロアレイでは、チップ作成時にデザインされた数十塩基のプローブ配列に対し、転写産物をハイブリダイゼーションすることで各遺伝子の発現量を測定します。

一方、次世代シーケンサーでは転写産物の配列を直接読み取りマッピングすることで、アレイ同様の発現解析を行うことが可能です。

Exome解析

Exomeはゲノム上のExonを網羅的に解析する手法です。

Exonは、ゲノム上のタンパク質に翻訳される部分で、ゲノム比で1%程度しか存在しません。生物の有する全ゲノム領域を解析するのではなく、 Exonのみをシーケンスすることで、形質に関与する多様性(多型)の同定を効率的に行うことが可能です。

お気軽にお問い合わせください。019-601-7534受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]

お問い合わせ